創造とタイムリーな行動--一般社団法人日本雷保護システム工業会
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■IEC TC81(雷保護) Milano Meeting 概要報告

一般社団法人 日本雷保護システム工業会(JLPA)
専務理事 三木常一

 IEC(国際電気標準会議)雷保護規格の制定を目的とするTC81雷保護専門委員会が前回2006年6月にPerros Guirec(France)で開催され、その後、作業部会(MT・WG)においてIEC 62305規格のメンテナンス見直しが行われた。今回はそれらの結果の審議などを目的にMilano市(Italy)で、作業部会も含めてTC81 Meeting(雷保護専門委員会会議)が開催された。それら会議の概要について以下に述べる。

1.開催場所 Comitato Elettrotecnico Italiano (イタリア電気技術協会)in Milano

2.会議日程 2009年3月30日(月曜日)〜4月3日(金曜日)

会議日

会議種別

作業部会の概要: 下記IEC規格の見直し又は検討

 3月30日(月)

MT8

IEC 62305-1・3: 一般原則及び建築物雷保護の検討

31日(火)

WG11
MT9

IEC 62561-1〜7: LPS用部材
IEC 62305-2: 雷リスク評価

4月 1日(水)

WG11
MT3

IEC 62561-1〜7: LPS用部材
IEC 62305-4: 内部機器の雷保護

2日 (木)

TC81

Plenary meeting : 雷保護委員会(Delegate全員参加)

3日 (金)

  〃  〃              〃  〃

注)MT並びにWGは作業部会を示す。

3.参加国及びDelegates(代表委員)

TC81 Milano会議の参加国及びその代表委員数を次に示す。(17カ国56名)
Chairman: M. GUTHRIE Mitchell (USA)
Secretary : G.B. LO PIPARO Giovanni Battista (Italy)

Assistant Secretary : MAZZETTI Carlo (Italy)

参加国

Delegate

 

参加国

Delegate

  1.Austria

 1名

 

  10.Luxembourg

 1名

  2.Belgium

2

 

  11.Netherlands

3

  3.China  中国

4

 

  12.Poland

1

  4.France

5

 

  13.Portugal

1

  5.Germany

5

 

  14.South Africa

1

  6.Greece

1

 

  15.Spain

3

  7.Hungary

1

 

  16.United Kingdom英国

3

  8.Italy

8

 

  17.United States  米国

6

  9.Japan 日本

6

 

  *Central Office

1

参考)日本のDelegate 6名を以下に示す。
Chief 横山 茂:  電力中央研究所 新井慶之輔:  (株)SD防災研究所
  渡邉信公:  職業能力開発総合大学校 佐藤正明:  (株)サンコーシヤ
  三木常一:  日本雷保護システム工業会 深山博康:  (株)昭 電
 

4.作業部会の主要課題
 1)MT8 :Convener(主査) Prof. Mazzetti Carlo
       IEC 62305-1・3「一般原則」及び「建築物の雷保護」関連事項
  @保護レベルの検討

現在、保護レベルは4段階(T〜W)に設定されているが、更に危険度の少ない被保護物に対する新しい保護レベル“X”の採用を検討する。

  Aサージ電流:建築物に直撃した場合とその近傍に落雷した場合のサージ電流の値を分離して直撃の場合が大きくなるようにした。
  B早期ストリーマ発生型避雷針(ESE)

採用推進派のフランス・スペイン・ポルトガルから標記避雷針を認めない方針を変えてほしいとの要求がなされたが、Convenor Mazzetti氏は、このタイプの避雷針は十分な効果が科学的に証明されていないことを理由に拒否した。

 2)WG11主査 Kokkinos Dimitrios

   IEC 62561-1〜7(案)のLPS用部材について協議 
IEC 62561-1:接続部品  ---------- これに関連する各種試験を米国が実施する。
   62561-2:アース電極と付属品
   62561-3:絶縁スパークギャップの要件ISG
   62561-4:導体ファスナの要件
   62561-5:アース試験箱、アースシール
   62561-6:雷撃カウンタ(サージカウンタ)
   62561-7:接地強化材 (接地抵抗低減材関連)
@上記部材の規格(案)は、EN(欧州規格)を管理しているCENELEC(欧州電気標準化委員会)が約10年前から規格化を進めているものである。
非欧州の主要国は国内規格で対応できているのでCENELECのIEC化には反発がある。従ってCENELECでない方法でIEC化が進められる予定である。
A日本の基本姿勢(横山委員長):接続部品などの寸法や細かなこと規定はIEC化せずに各国に任せればよい。
B接地強化材については、日本の改訂提案をグリーンPaperで各国委員に配布し、佐藤委員が説明して了承された。
C62561-1の試験(静止機械力試験・延長導体の接触抵抗試験など)を米国で行うので予定していた規格案のCDV, FDIS化が大幅に遅れる予定である。

5.TC81 Plenary meeting (雷保護専門委員会)
   TC81本委員会は4月2日・3日の2日間に亘り開催された。委員会の要点について以下に述べる。
 *Chairmanの交代
   今回MeetingよりChairmanにMr. Guthrie Mitchell ( USA)氏が就任し前Chairman, Mr.Christian Bouquegueau 氏が退任した。 前

Chairmanは温和な態度で会議をまとめるタイプであったが、新Chairmanは強力にリーダシップを発揮して会議をリードするタイプに見受けられた。
1IEC Central officeNews
  中央事務局Mr. Casson Michaelより次について  の報告があった。
  ・IEC Global Reach 
  New TCsのEstablishment
  ・IECとIEEEのjoint international          
   standard
  ・Strategic Business Plan など。
  2) Secretaryの報告
   2006年6月,Perros-Guirec(France)
   で開催したTC81Meeting以降の主な
   作業内容について報告があった。
次回Meeting の予定について 
  @2010年02月:テルアビブ・作業会
  A2010年10月:Seattle(USA)本会議 
  日程予定 :10/10 MT3 : 10/11 MT8
  10/12 MT9 : 10/13 WG11
  10/14 TC81Meeting(本会議)           

) 作業部会MT8 の活動 (IEC 62305-1
  ・3 )Convener Prof. Mazzetti Corio        
  @62305-1・3 関係の作業経過についての報告   をした。
  A低圧電源線と通信線が同一の表に表示
   されていたが表を分離することにした。
  B建築物に直撃した落雷と建築物の近傍に落   雷した場合のサージ電流の値を分離して直撃   の場合は大きくなるようにした。


会議場:イタリア電気技術協会


TC81Meetingでの審議

  CESE(早期ストリーマ発生型)避雷針
  IEC 62305のまえがきに次の2文が記載されESEや消雷システム等を排除している。
a. Only protection measures considered in this Standard are proved to be effective.
 「この規格で検討した防護方法だけが有効であることが証明されている。」
b. Any other claimed protection system shall comply in full with this Standard.
 「いかなる他の主張されている防護システムもこの規格に従うものとする」
ESE避雷針排除についての各国の意見
1. IEC規格から前述のa 及び b文を削除すべきである。=フランス提案。  
排除は適切でないとの意見でCentral officeは、フランス提案を支持した。 
2. 科学的根拠がない。排除は正当である。=M8Convener Prof. Mazzetti
採決の結果は以下のとおりであった。
Decision 1 : フランス提案は賛成少数で否決された。 
〃  2 : a文中のOnlyを削除する。 Decision 3 : b文は修正する。
次の文章を規格に採用する。そして規格改訂案をCDV段階にする(2009 年8月)。
    「TC81 is aware of development and research on other technologies in the field of lightning protection, but until these technologies are accepted by the International Scientific Community (such as CIGRE), it is the considered opinion of TC81 that the principles and methods within IEC 62305 are adopted.」 4)作業部会MT(IEC 62305-2 雷リスク評価)
従来のリスクアセスメント用計算プログラム(SIRAC)を改善した。エクセル型の入力(RSA)。   
IEC 62305-2の改訂については、CDV段階に進むことを決定した。
5)作業部会MT3(IEC 62305-4 内部機器の雷保護)
  IEC 62305-4の改訂については、CDV段階に進むことを決定した。
6)作業部会WG11(IEC 62561材料関連)
  IEC 62561-1(接続金具の仕様等)は、ヨーロッパ規格に準じているので、他国の事情を考慮し再検討する。従ってscheduleを変更し  CD2段階とした。これに関連して 
  他のPartも遅れてCDVとすることになる。
7)Future Work は次のとおりである。
  @新しい雷保護レベル(LPL)X :SPDの容量の選択のため分流についての考察。
  A損失係数の統計データによる評価  C建築物に落雷時の誘導電圧の簡易計算法
  B金属物に雷撃した場合の溶損問題  DSafety procedures guideline(人体の安全)
  *日本からもTask forceグループ(アドホックグループ)に参加する。

以上


        Chairman Mr. Guthrie氏 と筆者

        Secretary Mr. Lo Piparo氏と筆者

参考:筆者とMr. Guthrie and Mr. Lo Piparoの両氏は1982年開催のTC81Vienna 会議以来の雷友です。

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